「ほらーまたそんな顔する。」 植田に指摘された。 「いや……今回はそういう意味じゃないから。」 寂しさとかじゃないから。 「それって…「さ、練習練習。」 私は強制的に会話を中断し、練習に励んだ。 その日も酒井先輩と話すことはなかった。 目すら合うことはなかった。 ―――このまま終わってしまうのだろうか?