そう、別に詩乃に会いに行っていた訳ではない。 でも毎日、あの中庭に寄って、日向ぼっこをしたくなった。 暖かい柔らかな日差しと包まれ、咲き始めた花壇の色とりどりの花に囲まれて。 隣には詩乃がいて。 それが日常化していった。 ――それが、当たり前だと思っていた。