「……よし。じゃあ、出発な」 駿がそう言って、玄関ドアを開けて廊下へ出た。 私も駿に続いて外へ出て…… 「わぁ……!!」 思わず歓声を上げた。 3階という微妙な高さの場所なのに、見えたのは立派な夕焼け。 その光景に見とれている私に向かって、駿は手を差し出すと。 「行こう」 そう言って、綺麗に笑った。