チュンチュンッ…チュンチュン





満月
「んー…」



目を薄く開くといつも通りの自分の部屋。


時計を見れば、まだ朝の6時前。




そこでやっと気づく。

夢………だったんだ。




ポタポタ…………





「うぅ~…。」




あたしは声を殺して泣いた。


幸せすぎたからぢゃない。

幸せな夢を見て叶わない現実に戻されて切なくて切なくて涙が止まらなかった。


ぎゅうって苦しくなった。




夢の中の翼は満月を初めて
抱き締めてくれた。





それがまた切なくて…。




もう本当に戻れないのかな……………翼。