ぷっ。 携帯を切り、もう片方の手に持っていたタバコを吸う。 「…んだよ…。カナコのバカやろぅ…」 座っていたソファに深く身を預ける。 僕の友達の何人かに、彼女に振り回されるやつらを見たり相談を受けたりしてたけど…僕もその一人になりそうだ。 「何そこでだらけてんだよ」 「……タケル」 さっきまでチャラチャラしてた顔ではなく、どこか真剣な顔。 そんな顔も出来るんだったら普段からしてろよ…。 モテる類いに入ってるタケルだけど、本人の性格が性格なだけにアプローチをする人はあまりいない。