優心をずっと苦しめていたものが、消えた。

「なんで急に消えたのかは分んねぇ。けど、嬉しいんだ…っ」

雨にぬれていて、涙がどれだかわかんないけど。
優心は、泣いていた。

「優心、本当…よかった」

おかしいね。
感情がなくなったはずなのに…。
もう、嬉しいって感情が出ちゃったよ。

やっぱり、優心はすごいね。
優心といるだけで、感情が生まれるんだもん…。

「ありがとう、雫……」

微笑んだ優心は、

とてもとても、幸せそうだった。