side雫


優心がでていき、部屋にはあたしとおじいちゃんだけになる。

「なにか…わしに聞きたいことがあるようじゃな」
「え……?」
「すまぬが、読ませてもらったよ。しかし、どうしてかその聞きたいことがなにか、わからんのじゃ。悩んでいるのか、そのことを頑なに閉ざしているのか、霧がかかっておる。
雫ちゃん。一体きみはわしに……何を聞きたいのじゃ?」
「……さすが、優心のおじいちゃんですね」

あたしがここにきたのは……もう1つ、理由があった。

それは……。

「優心の、能力のことです。
優心の能力は……どうやっても、なくなることは、ありませんか?」

おじぃちゃんなら、なにか分るんじゃないか。

あたしは、そう考えたのだ。

優心が買い物に行ってくれて、助かった。

どうやって、おじぃちゃんと2人になろうか、悩んでいたから。

「なぜ、そんなことを聞くのじゃ?
能力があっても、優心が好きなんじゃろう…?
やはり、少し抵抗でもあるのかい…?」