「じぃちゃん、俺」
「優心か?入って良いぞ」
返事が聞こえたので、俺は襖(フスマ)を開けた。

「彼女、連れてきた」
「初めまして。宮崎雫と申します」

雫は深々と頭を下げる。

「そんなかしこまらなくても良いぞ。優しそうなお嬢さんじゃな。
優心の祖父じゃ。よろしく、雫ちゃん」
「こちらこそ、よろしくお願いします」

雫はにこり、微笑む。

「さっきも言ったけど、じぃちゃんも能力者だよ」
「わしも、心を読むことくらいしかできんがな」
「そうなんですか?」
「あぁ。雫ちゃんは、能力の事優心に聞かされておったんじゃよな?」
「はい」
「それでも、優心が好きか?」
「じ、じぃちゃん、なに言ってんだよ!?」
「好きです。能力も含めて、優心が好きです」

真っすぐなその言葉に。瞳に。

胸が、高鳴るのが分った。