「雫。数学教えてくれたお礼に、何かしたいんだけど、なにがいい?」

放課後の帰り道、雫に訊ねた。

「え!?いいよ。そんなの。あたしがやりたくてやったんだもん」
「俺も同じ。俺がお礼したいからしたいんだよ」
「ホント、いいのに…」

クスリ、笑う雫。


最近、笑う回数増えてきたな…。


自分のことのように、嬉しい。

どんどん、雫に感情が芽生える。


それが、たまらなく……


嬉しいんだ。