「優心っ…!」

雫は俺を抱き締めてきた。

雫の心地良い体温が、さらに俺を弱くする。

「なんで俺…こんな能力持って生まれたんだろう…」

「優心…」

雫はそれ以上、なにも言わなかった。
ただ、さらに強く、強く…俺を抱き締めた。

「雫…」

「誰がなんと言おうと……
あたしは、優心が大好きだから…」


たった、それだけの言葉が。


俺の傷ついた心を、

癒した。