ベンチに腰を下ろす。

「優心…なにがあったの?」

「お、れ…。さっき、雫がゴミ捨てに行ってる間に…女の人2人に話しかけられたんだ…」

情けないことに、声は震えて。
だけど、雫は俺の手を強く握ったまま、黙って聞いてくれている。

「俺…無意識に、心読んでたんだ。○○駅への道聞きたかったらしくて、さ。
言ったんだ。駅への行き方。でも…気づいた時、遅かった。
女の人らさ、驚いた顔してて。
……気持ち悪い、って…言われたんだ…」

「っ、優心…」