その後、特に会話もなくアイスを食べた。
だけど、息苦しくなんてなくて。
むしろ、心が穏やかだったんだ。

「「ごちそーさま!」」

「優心、カップちょうだい?あたし捨ててくるから!」
「は?いいよ。俺捨ててくるから。雫のちょうだい」
「いいの!優心はアイス奢ってくれたんだもん。ゴミ捨てくらい、させて?」
「じゃぁ…サンキュ」
俺は雫にカップを渡した。
「ちょっと行ってくるね」
そう言って、さきほどのアイス屋のほうへ向かった。

雫を待っているとき――…
「あのー、スイマセン」
「はい?」
20代くらいの女性2人が俺に声をかけた。
「えっとですねー…」
「あれ?なんて名前の駅だっけ?」
「え、ちょっと待って。えーっと…」

「…?○○駅でしたら、この道をまっすぐ行って、郵便局を右に曲がったところにありますよ」

無意識だった。


本当に…

無意識だったんだ。