「 じゃあ、また後で 」 「 はい、待ってます 」 彼と会わない日はない。 それくらい毎日会っていて、 毎日話しているのに、会話は絶えない。 「 菜緒ちゃん! 」 「 わっ!ビックリした・・・ 」 いつものように電車を降りて、 大学の前で彼と別れる。 気温はまだ少し低くて寒いのに あたしの顔は熱くて、冷ますように 両手で仰ぎながら歩いていた。 後ろから抱き着いてきた紗希に ”もう”と少し怒りながらも 笑いかければ紗希も笑い返してきた。 「 さっきのが楓くん? 」 「 うん、そう 」