Black Coffee.






それを指差して首を傾げれば
紗希は少し気まずそうに目を伏せて、





「 ・・・楓くんが来てたの 」





そう言って、小さく折られた
紙をあたしの手に握らせた。





「 ・・・・・・・え? 」


「 菜緒ちゃん、まだ会えないでしょ?
  それにもう会うつもりもないでしょ 」


「 ・・・・・ッ 」





何も言ってないのに、
どうして分かるんだろう。





”会うつもりがない”んじゃなくて
”会えない”と思っているだけだ。
結局は同じところに行き着くけど、





会いたいけど、会えない。