キ―ンコ―ンカ―ン






その時、休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴った。






ヤンキーたちはチッと舌打ちしながら教室から去って行く。


緊迫していた教室の空気がようやく元に戻り、あたしも肩から力が抜けた。




「一体なんだったのかしらね?」


真澄ちゃんもホッと息をつきながらあたしを見る。



「分かんない…でも…怖かったぁ~」


「また来るかもしれないから、しばらくは気をつけなさいよ?」


「う、うん…」



真澄ちゃんの忠告にあたしはシュンとする。



というか、ヤンキーたちは本当にあたしを見てたんだろうか?


あたしの近くにいた別の子を指差してたって可能性はないかなぁ。


そうであって欲しいなぁ…





授業が始まる教室で、あたしはそんなことを考えていた。








しかし…


あたしの願いとは裏腹に不幸はさらに勢いを増しあたしに襲いかかってくる。