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大きな総合病院につくとバイクを止めてあたしと佐和先輩は正面玄関から院内へ走る。




「あのっ…伊勢谷陣は…!」


あたしは総合受付カウンターに前のめりになって聞く。



「伊勢谷陣はどこですか!?無事なんですか?!」


「あの、申し訳ありませんがお見舞いの方ですか?」


「お見舞いじゃなくて…!あの…っ」



う―…

焦りでうまく説明できないよ―!!



受付の女性も困惑した表情を浮かべる。




「すみません。1時間半ほど前にバイクで事故に遭った高校男子がこちらに搬送されたと聞いたんですけど」


「あぁ、救急ですね」




佐和先輩の言葉に女性は納得した顔で館内地図を渡してくれる。




「それでしたらそちらの通路から救急外来へ向かってください」


「は…はい!」


「手術中かもしれませんし詳しくは救急の受付でご確認お願いします」




手術中……?

あたしの体から血の気が引く。





「行こう」


佐和先輩に手をギュッと握られ、あたしたちは救急外来へ向かった。