その時


「わあぁぁぁ！！」




いきなり悲鳴と共にガシャーンと後ろから何かが派手に転倒する音が響いてくる。




「「！！？」」



キキィ―！


あたしはびっくりして後ろを振り返り、佐和先輩もバイクにブレーキをかける。








なんと白バイは住宅の植え込みに突っ込み転倒していた。


白バイ機動隊もその横で倒れている。


そのヘルメットにはなぜかピンクのハンカチが貼り付いていた。


どうやら飛んできたハンカチで急に視界が見えなくなり植え込みに突っ込んだらしい。




「い…つっ…」



白バイ機動隊はよろけながら起き上がる。


幸運にもケガは大したことがなさそうだ。





ってか……！

あのピンクのハンカチあたしのだ！



ピンクのハンカチには手作りのハートのアップリケが縫い付けてあり


あれは間違いなく去年、中学の家庭科の授業であたしが作ったものだった。




慌ててポケットをまさぐると、さっき突っ込んだハンカチが消えている。


どうやら風で吹き飛んだらしい。