そんなあたしに


真澄ちゃんがふいに頭を優しくなでなでする。





「…真澄ちゃん??」



顔を上げると真澄ちゃんは優しく微笑んでいる。




「本当に未唯はおバカね」


「へ…?」


「考えすぎよ。あんたが熱だした理由がよく分かったわ」





真澄ちゃんに頭をワシャワシャされてあたしの髪はぐちゃぐちゃになる。




「未唯。そういう気持ち全部、伊勢谷先輩に言ってみたら?」


「え?!やだやだ…恥ずかしいもん!」


「だけどどっちみち、ただNOだけじゃ伊勢谷先輩は絶対に納得してくれないと思うわよ?」


「!」




う……確かにそうだ。


逃がさないから覚悟しとけって言われたし。





「伊勢谷先輩が真っ直ぐ気持ちを伝えてくれたんだから。未唯も真っ直ぐにぶつからなきゃ失礼よ?」


「うん…」




シュンとするあたしにエールを贈るように、真澄ちゃんは肩をポンとする。





そうだね。

真澄ちゃんの言う通りだ。


うじゃうじゃ考えて逃げるなんてあたしらしくない!





ちょっと勇気がいるけど……


あたしは次の休み時間に伊勢谷陣の教室へ行くことを決意した。