「…………」



なぜかあたしはへこみまくる。



あぁ、ダメだ。

あたし今、自滅してる。

胸がモヤモヤする。







すると伊勢谷陣がふいにあたしを見た。




ドキッ…


「どうした?苦しくなってきたのか?」


「……え?」


「顔がなんか泣きそうだけど」


「!」





あたし…そんな顔してた?

慌てて目をゴシゴシする。




「熱はどんくらいあんの?」


伊勢谷陣はベッドサイドに来る。




あたしはベッドに仰向けになりながら、伊勢谷陣を見上げる。



下から見ると伊勢谷陣のまつげってすごく長い…

通った鼻筋は高いしシャープな顎も綺麗すぎる。





かっこいい…

かっこいいなぁ、伊勢谷陣…






本当にあたしどうしちゃったんだろぉ



これじゃまるで…

恋してるみたい。






あたしが頬を染めてぼんやり伊勢谷陣を見つめていると、伊勢谷陣はふいと目を反らす。





「お前……なにその顔。相当ヤバいだろ、それは」


「え?な、なにが?」


「…………」





慌てて伊勢谷陣に聞き返すと、少し赤い顔の伊勢谷陣に睨まれた。