伊勢谷陣の言葉にあたしは目を大きくする。






今……伊勢谷陣なんて言った?


あたしの聞き間違え??






「あ…あの……今なんて?」



あたしが恐る恐る聞くと、伊勢谷陣は少し恥ずかしそうに顔を背ける。




「だから…好きだっつったんだよ」



「え?」



「俺がお前を」



「……え?」



「好きなんだよ」






伊勢谷陣の言葉にあたしはしばらくポカーンとする。





伊勢谷陣が……

誰を好きだって?




あたしを???




伊勢谷陣があたしを好き…?












「えぇぇ~~~~~!?」







静かな大学キャンパスにあたしの声が響く。