ヴォンヴォンヴォン…




10分ほど走り大学につくとあたしと伊勢谷陣はバイクから降りた。



ヤンキーたちも慎ちゃんを車から下ろす。



辺りが暗くて分かりにくいけど、ここは大学の入口付近みたい。


掲示板の前の広場だ。


すでに学生はいなくて静かなキャンパス内には慎ちゃんやヤンキーの声だけが響く。





「ひぃぃ…!助けて…!お許しを…!!」



「黙れや。つかお前汚ねぇなぁ、なに車汚してくれてんだよ」



「ひぇ…すみませんすみません…」





泣き叫ぶ慎ちゃんにあたしは目を背けたくなる。



これは本当に慎ちゃん?

これがあたしの好きだった人なの?



伊勢谷陣はあたしの手を握りながら慎ちゃんの前に立つ。




「てめぇは命乞いする前にまず未唯に土下座しろや」



「はぃ…!!すみません!!すみません…未唯…許して…助けて!!」





慎ちゃんは土下座しながらあたしの足首にすがりつく。