電車でとなり町につくと空はもう薄暗くなっていた。



駅前の時計台を見ると6時を少し過ぎている。



通勤帰りのサラリーマンや学生たちが駅前にたたずむあたしを四方八方に通り過ぎていく。






さて、これからどうやって慎ちゃんを探そうかな?


慎ちゃんの家は場所だけなら知ってる。



そこのバス停から10分くらいバスに乗ると『大学前』というバス停があって


そこからさらに5分くらい歩いたところに慎ちゃんの住むアパートはあるらしい。



同じ大学の学生ばかりが下宿しているアパートだから見つかったら冷やかされるって、実際あたしは連れて行ってもらったことはないけど…。



慎ちゃんは今その家にいるんだろーか?



わからないけどとりあえずはそこに乗り込むしかない。





あたしは肩から提げる鞄をギュッとつかむ。





決意はしたけどやっぱりちょっと怖くなってきた。


護身用にバットでも買ってくるべきだったかな…