あたしは驚きすぎて声が出なかった。




だって……守くんはまだ小学3年生だよ?


その守くんがたった一人で電車とバスを乗り継いでとなり町まで行くなんて…


あたしなんかのために。








「……でも」


守くんはシュンとうつむく。





「全然僕じゃかなわなかった……ごめんね、未唯ちゃん」


「!!」


「僕が未唯ちゃんを守るって約束したのに……」




あたしの体が小さく震える。


想像したくもない。


まさか……守くんをこんな風に傷付けたのは慎ちゃん!?




あたしはまだどこかで、慎ちゃんを信じていたかったのかもしれない。


騙してるっていいながらも、本当は少しは好きでいてくれたんじゃないか。


悪ぶってても素はやっぱり優しくて良い人なんじゃないかって……。