「こんなツラいのなんてすぐ治る。すぐ忘れるから…」



「未唯ちゃん……」



「平気だよ。平気……」



「…………」







カタ…ン


守くんはテーブルに身を乗り出すと、向かいのあたしの頬に流れる涙を指ですくった。



守くんを見ると、守くんの瞳からも涙が流れている。






「ふぇ…なんで…守くんまで泣くの?」



「だって大好きな未唯ちゃんが悲しいから…僕もツラいんだ」





守くんの綺麗な瞳から涙がポロポロこぼれる。






「我慢しないで?ツラい時は笑わなくていーんだよ」



守くんは身を乗り出したまま、あたしの頭をギュッと抱きしめた。





「僕がどんな未唯ちゃんも全部守ってあげる」



「っ―――…」



「僕が守るから…」







気が付くと


あたしは守くんの腕の中でわんわん声をあげて泣いていた。