「あたしなら大丈夫…!タツのお陰で慎ちゃんの本音はわかったからもう騙されないし!」




あたしは自分に言い聞かせるようにへへへと笑う。





「もう別れるし!でも穏便に終わらせたいんだ!」




慎ちゃんはあたしにできた初めての彼氏。


たとえ騙されてたとしても形くらいは普通の恋人で終わりたい。


思い出くらいは綺麗なまま残したいよ…。




「姉御……」


「ごめんねタツ…気持ちだけありがとう」








タツはそれからあたしを駅まで送ってくれた。



駅につくと真澄ちゃんがカンカンに怒って待っていた。



あ…!

課外授業のことすっかり忘れてた!



真澄ちゃんは携帯も無視して迷子になってるあたしを心配してずっと探し回ってくれてたそう。


班の子が先に学校へ戻っても真澄ちゃんだけは駅で待ってくれていたんだ。



「もう未唯のおバカ!やっぱり迷子になってるじゃない!」


「あはは、ごめ~ん…」



真澄ちゃんはどうしてあたしがタツと一緒にいるのか不思議がっていた。


だけどあたしは最後まで笑ってごまかした。



騙されてたなんて恥ずかしくて……


本当のことは真澄ちゃんにも言えなかった。