「…ふぅ。勝った…」




いじめっ子に勝利したあたしは携帯をしまうと、いじめられていた子の所へ駆け寄る。





「大丈夫!?君、ケガはない?」


「う…うん…お姉ちゃんありがとう」



業務用ゴミ捨て場で、尻もちをついていた男の子はあたしを見上げて小さく笑った。



「!」


キュンッ


なにこの子…!


まるで天使かと思うくらいに綺麗な顔で可愛い。




「えっと、とりあえず立てるかな?」



あたしは男の子を立たせると、その前にしゃがみこみ体の汚れをパンパンと叩いてあげた。


半ズボンの膝は擦りむいて血が出ている。



「わ~これ痛そうだね、…どうしよう?お家の人に連絡する?」


「ううん…家には誰もいないよ」




男の子は困ったように小さく笑いながら首を横に振る。