運転席には誰も乗っていなかった。誰も乗っていない運転席のドアをバンバンたたいて


「おいっ!コイツはつれてくなよ!生きてんだよ!お願いだからつれてくなっ!」


何度も何度も光輝クンは叫んだ


「コイツはって何!?私は光輝クンも一緒じゃないと嫌だよ!」


なんでこの人はこんなに私を助けようとしてくれるのか


「おいっ!俺はもう死んでるんだよっ!でもお前は生きてんだろ!?好きな子くらい守らせろよ!」


好きな子……
私をガン見してたのはそういい意味?怖がってごめん。でも光輝クンそんなセリフ聞いたら


「なおさら一緒じゃないと嫌っ!出してよっ車掌のくせに仕事さぼるなぁぁっ!」


私は叫びに叫んだ。
いつの間にいたのかもしくは急に湧いて出たのか顔のよく見えない車掌が後ろにたっていた


私は光輝クンの手をつかんだ


「私たちをおろしてください」


「……そうですねぇ、行儀の悪いお客様はいりませんので」


プシューとドアがアイテ勢いよく体が放り投げられた