一億よりも、一秒よりも。

「ミニクーパーは、やっぱ青だろ」
 
人差し指が夏空みたいな青を触っていた。
『無駄こそ人生』とキャッチコピーが綴られている。

「いや、ミニクーパーは赤だ」
 
そう言って返すと、夏木はにっと唇の端を上げて、後輩の待つ出口へと身体を向けた。