「は、早く車まわして。お母様との食事に間に合わないじゃない!ほら早く!!」 私は恥ずかしさを紛らわすために わざと西島をせかした。 「かしこまりました。 ……お嬢様。 何が恥ずかしいのですか?」 ………。 「なっ、何言ってるの。そ、そんなこと思ってないわよ!!!」 バックミラー越しに西島と目が合う。 私はとっさに目を逸らす。 「相変わらずお嬢様は素直ではありませんね。」 西島は満面な笑みで車を走らせた。