わがままハーブティーはいかが?




「・・・じゃ、もう行くわ。」


昴は抱きしめていた腕を放した



でも、私は放さなかった




「・・・どうしたんだよ、」



「・・・ほんとに、行っちゃうんだね」



・・・やばいよ、また泣きそうだよ


私は涙を堪えてなんとか顔をあげて昴を見た



「・・・居て欲しい?側に居て欲しい?」


そんな風に笑わないで欲しい

その笑顔が大好きだから



「・・・ったく、そんな風に抱きつかれると諦めきれなくなるわ、アホ。」



そう言うと昴は一度放した腕をもう一度私の身体にまわした



「・・・昴。元気でね。風邪ひいちゃダメだよ。ちゃんと身体には気をつけてね。それと、弁護士の夢諦めちゃダメだからね。それと、・・・ーーーー」



それと、それと、・・・

話を続かせないと昴はもう行っちゃう

何故かまだこの腕を放したくない自分がいる



もう、私たちはそれぞれ違う道を歩きだしたのに・・・


それでも、私はこの腕を放したくなかった




「昴!それとね、・・・ーーーー」



その瞬間、唇に暖かい感触がした