車内は静まりかえっていた。 私は窓に肘をつき 外の風景を眺めていた。 ちょうど夕日が沈みそうな時間帯だった。 東京湾に反射した 夕日がものすごく きれいでなんだか 悔しかった。 はぁ~。 私の心は晴れないのにどうして夕日はきれいなの!? 私は心の中でため息をついた。 「ため息はよくないですよ。」 私の心の中を察したかのように西島はそう言った。 「た、ため息なんてついてないわよ。 失礼しちゃうわ。」 私はむきになって そう応えた。