これ以上ここにいると蒸発してしまいそうだ
「にににににしじまぁー!かか帰るわよ!!」
私は逃げるように西島のタキシードの袖をつかんで昴の部屋から出た
「ですが、お嬢様!“お取り込みの最中”では?」
わざと西島は、お取り込みの最中だけを強調させた
「別になにも取り込んでないわよ!」
遠くで昴の声が聞こえた気がしたが私は振り返らなかった
私は急いで車に乗り込んだ
すると、西島が
「なぜ、そのように急いでおられるのですか?」
「ななぜって・・・ととくに意味はないわ」
私は見透かされないように平常心を保つ
西島が運転席に座りやっと発車して私は気が抜けた
そんな私をバックミラーで見た西島は、
「昴様と居るとまるで蒸発してしまうんではないかと思い、恥ずかしくて走って逃げた、と言うことでございますね。」
西島は私が思っている事を見事代弁してみせた
バックミラーで西島と目が合う
西島は不敵に微笑んでいる
「は?ななに言ってるの?わわたしそんなこと思って・・・」
あぁ、ダメだ。私、早口になってる・・・以前西島に言われた
『お嬢様は嘘をつくと早口になりますね』
私はもうこの執事の前で嘘をついたとしてもバレバレだろう

