「頭を上げてください。 私達でなんとかいたします。」 芹澤はピシッと立ちあがってそう言った。 「あの、デザインとはファッション関係のものですか!?」 私は、芹澤さんを差し置いて聞いた。 「はい。そうです。 柄や模様までも全く同じなんです。」 それを聞いた芹澤さんがすかさず私にこう言った。 「藤堂、お前はこの案件には一切手をだすなよ。」 「わ、わかってますよ。」 私は昔、失敗して裁判に負けたことがある。 そんな汚点がある今、私に仕事はまわってこないのだ。