たとえ、自分が塗れて風を引いても 私が、藤堂財閥の令嬢じゃなくても 彼は、私に同じことを言ってだろう。 東川さんは、優しい人だから。 私の周りには優しい人がたくさんいる。 東川さん、高宮さん、芹澤さんだってそう 私のことをちゃんと考えてくれている。 だから、その言葉だけで十分だ。 「そうか、迎えがきてるならしょうがないね。 また、美鈴さんとお会いできることを楽しみにしています。」 そういって東川さんは屈託なく笑った。