「覚えてないですか?」 見知らぬ男は意味不明なことを言い出した。 「覚えてるって、何をですか?」 近づいてくる男に私はゆっくり後ずさり 周りから見ればおかしな絵だ。 「君が雨の降ってる中で座り込んで いるから、声をかけたら 悲鳴を上げて気絶したんだよ。」 見知らぬ男は私に近づく気配なく ベンチに座ってそういった。 「あっ。思い出した。」 そうだ、立ち上がろうとしたとき 尾てい骨に激痛が走ってそのまま 意識がなくなったんだ。 って、立ち上がるだけで気絶するか? ほんとにバカだ・・・