走るたび、水が跳ね返る。 今は、服が汚れるとか冷たいとか考えなかった。 とにかく走って走って。 勢いよく走ったすぎた私は、水溜りにツルんと しりもちをついてこけてしまった。 「った~~。あぁ、服びしょびしょじゃん。」 ほんと、私ってついてない。 雨は、やむそぶりも見せずただ降り続けた。 「西島のバカー。迎えに来なさいよ。」 届くはずもないのに叫んだ。 水溜りの上に座り込んで叫んでいる私を 通行人は変な目で見る。 「あっ、電話すればいいんだ。」 私は、携帯で西島にかけてみた。