「失礼します。」 中に入ると、 背広姿の芹澤さん 真正面に座っているのは クライアントのかただろう。 「初めまして。 こちらの芹澤事務所で新人見習い弁護士として働かせて頂いてます。 藤堂美玲です。」 私は、クライアントのかたに一礼する。 「こちらこそ初めまして。 櫻田健二(さくらだけんじ)と申します。 よろしく。」 私は、櫻田さんと握手した。 「あ、あの・・・ 後ろの方は!?」 櫻田さんが疑問そうに私の後ろを指す。