車内はやけに静か。 私はただ、窓から見える町並みを見ていた。 と言うか、前を向かないように なんとか頑張っていた。 「そんなに窓から珍しいものが見えますか?」 西島が口を開いたと思えば そんなことを言ってきた。 「そ、そうよ。すっごく珍しい物が見えるの。」 私も負けじと言い返す。 「そうでございますか・・・ お嬢様はそうとう無理なさってる ようにしか見えませんが。」