「昨日、お前が車においていったんだろうが。」 そう言って昂は、私に鞄を投げ渡した。 昨日・・・ 「あぁ!!そうだった。すっかり忘れてた。」 この鞄には仕事の書類がたくさん入っている。 なくしました、じゃ済まないとこだった。 「あ、ありがと。このために来てくれたの?」 私は、俯きながらそう言った。 「それ、大切な書類入ってんだろ。 なかったら困ると思って。・・・それに」 ・・・それに!? 昂の口が開くまで沈黙が続いた。