さかのぼること5時間前――― 高宮さんと門倉事務所に 行くことになった私は 西島に電話をいれていた。 「西島ー。高宮さんと出かけるから、後は好きにしなさい。」 「わかりました。 高宮様とお出かけですか・・・もしかしてデートですか?」 「なっ!そんな訳ないでしょ!!仕事よ仕事!」 「そうですございますよね。 お嬢様が高宮様とデートな訳ありませんよね。」 「なんですって!!! たかがデートぐらい・・・。 ほんと失礼しちゃうわ!!」 私は、それだけ言うと電話を切ってしまった。