「・・っ意味、分かんない・・!」



いつも、その一言で私を黙らせて。


いつも、その一言で終わらせるんだ。



――その言葉じゃなくて、その表情で。




「別れたのに・・キスなんて、しないでっ!」



私がそう言うと、彼は私のあごをくいっと上げて。



「なんで?」



「・・・好きな人に、誤解されたくないの。」



そんな私の嘘を見透かしたように、笑うんだ。



「へぇ。・・・だったら、やめない。」



「はぁ・・!?」



苦しいけど、やっぱり心のどこかでは喜んでいる自分がいた。



直哉に、かまってもらえるんだ!って。



そんなのとき、いきなり教室のドアが開いた。




「・・なにしてるんですか?」



「・・・・せ、先生。」