「せ・・せんぱっ・・た、たすけて・・っ」 そこには、先輩が顔を歪めて立っていて。 やっと、助かる。 そう思ったのと同時に・・直哉の顔も浮かんできて___ あぁ、私。 また・・変な期待してる。 そんなことを考えていたら、さっきの男たちは消えていて。 類先輩の、腕の中にいた。 「・・っ大丈夫か?」 その、先輩の優しさに。 その、先輩の声に。 その、先輩の体温に。 私は温もりを――・・感じた。 「・・先輩・・っ」 涙線は、壊れたように緩んで。 私は泣きじゃくった。