「・・じゃあ、そのツライ顔もアイツのせい?」


「え・・?」


私って、そんな顔してるのかな。


自分では隠してた・・つもりだったのにな。


ただ強がっている私を、葵は見透かしているように私を見つめた。



「・・今にも、泣きそうな顔。全部、アイツのせい?」


「も、もう、なに言ってるの?ここ・・っ寒いし!早く部屋もどろ?」



私は適当にごまかして、部屋にむかって歩き出そうとした。



バシッ



葵は私の腕を掴んで、



「俺だったら・・俺だったら、絶対そんな顔させないのに。」



それだけいって、葵は部屋に入っていった。


「・・なにそれ。」


私はわけがわからなかった。


あんな、真剣な顔で。


そんなこと言われたら、誰だって・・戸惑うでしょう?


「帰ろう・・かな。」



それが一番だ。


私はそう思って、千夏にだけ連絡して


カラオケ店を出た。