私はスカートをぎゅっと握り締めて、マイクの前に立った。 司会者の隣に立っている―――直哉に視線を向けながら。 「――あの時の男の子が直哉だって、知ってても私はきっと直哉に恋したって思う。どんなに浮気をされても、嫌いにはなれなかった。どんなに泣いても、喚いてもやっぱり心にいるのは直哉だった。」 いきなり話し出す私に会場はどよめいた。 それでも私は話を続けた。