そして二人で校庭の屋台を回って、中庭で休もうとしたときだった。 「…なおくん!」 甲高くて透き通った声が耳に響いた。 次の瞬間には、知らない女の人が直哉に抱き着いていた。 「サキ…」 "サキ"さん。 その名前に、私の心臓はナイフでえぐられたような痛みを感じた。