「今日は、積極的だな?」 直哉はくすりと笑って、私を抱き締めた。 「…っ」 そう言われて、私はやっと自分がどれだけ大胆なことをしているのに気付いた。 「…や、やっぱり降ろして!」 そう言ってみても、抱き締める力は強くなるだけで――。 「…抱き着いてきて離れなかったくせに。」 「…っだって、あれは…!」 さっき自分がしたことに今さら後悔をした。 は、恥ずかしすぎる!! きっと私は今真っ赤だろう。 「助けてあげたお礼、なんかねぇの?」 そう言って直哉は私の顔を覗きこんだ。