――着いたのは、空き教室だった。 直哉は私を抱えたまま机の上に座った。 いつの間にか、私は直哉の膝の上に跨がる姿勢になっていて―――― 「な、直哉…。」 「ん?」 目を細めて直哉は私を見つめていた。 ――いつもより何倍も何倍も優しい顔で。 「えっと…、さっきはありがと…」 な、なんか恥ずかしくなってきた! そう思って私はまた直哉の胸に顔を埋めた。