「あ、あの…離してください…。」 一生懸命手を振りほどこうとしても、力は強められるばかりで――― 「いいじゃん♪な?」 …やだ…怖い 「やだ……っ」 不運にもここは教室の死角の席だった。 きっと誰も気付かない。 「離し…てっ!」 そう言っても男はにやにやして、私にズイッと顔を近づけてきた。 ―――助けて……っ助けて、直哉!! 心の中でそう叫んだときだった。 「……俺の女になにしてんの?」