信じる


あれから
どのくらい過ぎただろうか。

杏里:(曲、終わりそうだな…美和から電話も来ないし、帰ろうかな。)

そう思った瞬間、
唇に微かな熱を感じた。

杏里:「っ!?」

軽いキスから
深いキスに変わる。

誰だかもわからずに
自然と目が閉じる。

このキスの仕方、
知ってる…

不意に涙が頬を伝う。

曲が終わると同時に
唇が離れた。

顔を確認する前に
強く抱き締められた。

この匂いも…知ってる。

涙は止まることなく
流れ続けた。

杏里:「…幸樹。」

幸樹:「やっぱり杏里がいないと俺、ムリだわ。」

杏里:「こうきぃ…」

幸樹:「辛い思いさせてごめん。いっぱい泣かせてごめん。不安にさせてごめん。俺のこと好きでいてくれてありがとう。」

杏里:「うん。うん…。」

幸樹:「杏里、愛してるよ。」

杏里:「ウチもだよぉ…」

そしてもう一度、
深い深いキスをした。








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美和がウチと
電話をしているときに
幸樹もその場にいたらしい。
電話越しに
クリスマスソングが聴こえて
場所が津田沼だって
わかったんだと
美和は言う。

幸樹のサイトのコメント、
あれは誤解だった。
幸樹の友達が
勝手に女の人とコメントし合って
「電話してあげて」と
無茶ぶりをされたらしい。
すぐに断って切ったそうだ。



あれからウチらは
相変わらず幸せが続いている。
唯一変わったのは
美和が隼斗くんと
結婚したこと。

これからは
大好きな人と
ずっと一緒にいる。
もう離れない。

好きだからこそ、
なにがあっても“信じる”ことは
大切なんだとウチは学んだ。
これからも、
ちゃんと信じ続けるよ。





___END