***** あたしは朝食を終えると、 洗顔、歯磨き、着替え、準備を 慣れた手つきでちゃっちゃと済ませる。 髪は面倒だから、ブラシで 無造作に梳いただけ。 あたしは赤いランドセルを背負うと、 玄関のドアを開けて、「行ってきます」 をなるべく笑顔で言った。 新学期、少しでも明るい気持ちで 行かないと! 「行ってらっしゃい」 お母さんの声を聞くと、あたしは 頷いて、マンションのエレベーターで 12階から1階まで下りた。